thinkLog.

とある社会人の思考ログ。個人的な冒険の書。

アレフガルドに旅立つ前に読んでおきたい一冊


どちらかと言えば、自己啓発書は好きじゃない。自己啓発書を片っ端から読み漁っている人を見ると、何とも言えない気持ちになる。「超一流のビジネスマンは何故⚪︎⚪︎なのか」というタイトルがついた書籍の多さに、どれだけみんな超一流になりたいのだろうと、書店で想いを馳せる。
馳せながら本棚を眺めていたら、一際浮いた自己啓発書を見つけた。「人生ドラクエ化マニュアル」という文字。「超一流」やら「できる人」やらが並ぶ中で、浮き立つ「ドラクエ」。
それは素晴らしいクリーンヒットの瞬間だった。今更ながらだが私はゲームが大好きだ。もちろんドラクエも。
結果的にあれだけ嘲笑気味に眺めていた自己啓発書の棚に置いてある書籍を購入することになった。

この書籍の結論はとてもシンプルだった。
「一度しかない人生、目的を持って楽しみながら生きましょう。いつ死ぬかわからないのだから。」
要約すると以上だ。同じようなことが書いてある書籍は恐らくごまんとある。
結論はありきたり感が否めないが、読んでいて印象に残ったのは結論ではない。

結論に至るまでのプロセスにおいて、本書はやたらとゲーム的解釈を促してくる。まずゲームとは「目的」「敵」「ルール」の3原則によって成り立っていると説明した上で、その3原則をあなたの人生にもそのままぶち込んでみましょう、という展開がなされていく。
ドラクエでスライムと闘う時、経験値を得ることを目当てに楽しむのだから、現実世界で面倒な上司との人間関係も経験値を得られると思えば楽しめるに違いない」という考え方を推奨される。

なるほど…と言わざるを得ない。
本書には偉人たちの名言がいたるところで引用されており、その中の一つに、ニーチェ
事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。
という言葉がある。まさにこの言葉こそこの書籍そのものを表していると感じた。
この世には誰かによる解釈しかないのならば、自分の人生を変えるかもしれない要素もまた、誰かによる「解釈」でしかないのだ。